「食」を楽しむ生活を始めよう
現代人は忙しいものです。私たちが生涯持っている「時間」は限られているのです。一日の長さは誰でも同じ、そして人はずっと起き続けていられるわけでもなく、それだけに「時間」の貴重さは年々、日増しに、重くなっていっているのです。そのなかで割かれつつあるのが「食事の時間」であったりするわけです。食事はまさに「私たちの身体を作り上げる」ために必要な行為であるわけです。食事をしなければ、私たちはやがてやせ細り、死んでしまいます。食事で栄養をとり、まずは身体に必要な栄養素を補給する必要があるわけです。「食べる」ということは、私たちが生きているかぎり決してやめてはいけないことなのです。ですが、「ただ食べる」だけなら、どのようなカタチでも可能です。ただモノを口に運び、咀嚼するだけなら、忙しい中でも可能なのです。仕事をしながら食べることだって可能なわけです。そのような「効率化」は、現在の「情報化社会」と相まってさらに加速し、私たちは忙しくなるとついつい食べることを疎かにしてしまうのです。
それはなんとも悲しいことで、ただ食べるだけが食事の真髄ではないのです。「食事」とは、「食べること」を指しているだけではないのです。私たちは食事を通じて、その時間を通じて、「心も癒している」のです。食事をすることは、その「時間」を明日を生きるための栄養補給、疲れた心をほぐすためのリラックスのための行為であるのです。食事の時間が充実していれば、人生は充実しているといってもいいでしょう。私たちは毎日食べ続ける必要がある。それもただモノを胃に押しこめばいいわけではなく、その場と時間と、何よりも料理を楽しみながら食事をすることが、なによりも大切なのです。
「食事を楽しむ」ということは、簡単なようでいて難しいものです。ただ食べるだけではなく、どこで、誰と、どのようにして時間を過ごすのか、ということを自分で演出する必要があります。家族との団欒でもいいです。仕事仲間との団欒でもいいのです。ただ、その時を「楽しむ」ことで、潜在意識の奥から癒されていき、不思議とストレスもなくなっていくものなのです。健康的な食事というのは「楽しめる食事」です。そのような食事の時間を演出することができるのが、「飲食店」なのです。
私たちの生活のオアシスとしての飲食店は、いたるところにさまざまなカタチで存在しています。さまざまなルールとマナーを持ち、時には利用客を選ぶことすらあるでしょう。ですが、それもすべては「食事」がなによりも人にとって大切なことであるからです。大切なことであるから、敷居を高くしたり、マナーで縛ってみたりするわけです。食事に対する意識の高さが改めてかいま見えるのも飲食店です。そのようなさまざまな飲食店でさまざまな料理に触れ、さまざまな時間をさまざまな人と過ごすことで、より人生は豊かになるはずです。人生が豊かになるためには、健やかな身体と健やかな精神か必要です。その両方を、お気に入りの飲食店で手に入れることができるのです。それに対する「対価」であると考えれば、飲食店に対する考え方も少し変わってくるのではないでしょうか。明日の食事は未来のためにあるのです。