お得な「クーポン」だらけの飲食店

飲食店が私たち「利用客」に対して提供できるベネフィットにはさまざまなものがあります。ある一定の「期間」にその飲食店を利用した人だけが味わうことができる「限定メニュー」や、「応募によるプレゼントサービス」などもそれに相当します。そのようなさまざまなベネフィットの中で、私たちが一般的に嬉しいのは「価格」に関するベネフィットです。「料金が割り引かれる」というベネフィットです。

当たり前のことなのですが、私たちは「限られた収入」を切り崩して日々を生きています。得られる収入は限られているけれど、「欲しい物」はいくらでもあるのです。それが現代の「資本主義」に生きる私たちの深層心理の根底です。資本主義である以上、「価値のあるもの」は「高く」、「価値のないもの」に対して「お金を払う気がしない」のです。自分の資本が「限られたもの」である以上、「価値ある高いもの」は魅力的です。それが「欲しい」となると、一生懸命お金をためたり、ローンを組んで長い月日をかけて支払うものなのです。人によって価値観はさまざまですが、根底は「金銭」であるはずです。ですから、「本当は支払うはずだった料金」が「割引」となっていると、「現金をもらった」ことと同じなのです。「得をした」ということは、なによりも私たちの深層心理に訴えるベネフィットなのです。

沢山のお客さんに来て欲しい飲食店が、そのような私たちの「心理」を利用しないはずがありません。「期間限定でお得」だったり、「クーポン」が利用できたりすることは「当たり前」だと思った方がいいでしょう。飲食店を「宣伝」するためにはさまざまな手法が存在しますが、それらに対して「クーポン」などの割引サービスをつけることが、広告的にもっとも「効果があること」なのです。それを「飲食店は痛感している」というわけです。

突き詰めれば、「常にお客さんに来てもらわなければ成り立たない」のが飲食店です。競合する他店も多い時代です。看板をぶら下げてただ「お客さんが来るのを待っている」というだけではどうしても繁盛しないでしょう。それを打破するために、飲食店は「利益」を削って「クーポン」を乱立するわけです。「安くするから、沢山の人に来て欲しい」というわけです。

そのような取り組みを常時行なっている飲食店もあるでしょう。ですから、利用客としては「その飲食店でどこかにクーポンが出ていないか」を探すことがお得に利用するための方法になるわけです。宣伝しつづけなければ「お客さんが来ない」ような「激戦区」の飲食店であれば、常に何かしらの媒体に「クーポン」を掲載し、集客しようとしているかもしれません。一度行ったことがあるような飲食店を利用する場合、「また行きたいな」と感じた際も、その店の「クーポン」を探してみることは有益なことでしょう。結果、「お得に気に入った料理が食べられる」ということになるのです。お店は「新規のお客さん」が欲しくてそのクーポンを発行しますが、「一度来てくれただけのお客さん」をすべて覚えていられるわけでもないのです。またクーポンを使ったところで、「ケチだ」と思われることはないので安心しましょう。

 

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