飲食店の明暗を分ける要素とは

飲食店は競争の激しいビジネスではあります。ですが、私たちは「食べる」ことを決してやめるわけにはいきません。そして、いつも自宅だけで食事を済ませることが必ずできるとも限りません。ですから、私たちのニーズから「飲食店がすべてなくなる」ということはあり得ないのです。

そんな飲食店は、うまく固定客をつかめば「安定的な」ビジネスに発展します。「固定客」とは、定期的に店に訪れてくれるお客さんのことを指します。定期的といってもその頻度はさまざまです。「月に一度」から「毎週」、そして「二、三日に一度」という頻度で決まったお店に訪れる人もいるものです。そのようなお客さんをどれだけつかむことができるのか、ということが飲食店にとって一番大切な要素となるでしょう。

その固定客をつかむためのポイントは、実は「料理の味」だけではないのです。料理の味を磨き続けることはある意味飲食店としては「当たり前」のことなのです。「料理人」という職業は、常に自分の料理を食べてくれるお客さんに対して「美味しい」と感じて貰う必要があります。美味しい、満足した、と感じてもらってはじめて一人前の料理人になったといえるのではないでしょうか。ですが、「飲食店」は料理人だけで成立しているわけではありません。「お店」である以上、「店構え」というものがあります。お客さんを「迎える」ための門構えというものがあります。

そして訪れたお客さんが滞りなく注文することができ、その料理がある程度待たせすぎることなくテーブルに届き、楽しく快適に食事ができる「環境」というものが必要なのです。ですから、飲食店に必要な要素は「味」だけではダメなのです。中には、「この味が食べたければ少しの無愛想は我慢しろ」というお店もあるかもしれません。ですが、そのようなお店はある程度小規模で、本当に味だけで勝負しているような一部の店舗だけに限られるのです。実際は飲食店では店構え、内装、接客、味、料金のすべてのバランスが整っていないと繁盛しないことが多いのです。

繁盛店はその「ポイント」を抑えている場合が多いです。決して最高級の料理を提供しているわけではなく、訪れるお客さんの「ニーズ」に沿った運営をしているものです。自分の店にどのようなお客さんが訪れるのかは、その「ターゲティング」によります。高級店であれば、当然「食事」にある程度の金銭を費やすことができる人がターゲットです。ですが、そのようなお店では「食事」は当然ながら接客や「空間」もそのの「対価」に見合うものでなければいけないのです。お客さんはそのような高級店にそのような極上の要素を求めているからです。対して、何の気遣いもなく入れるような大衆食堂であれば、ある程度の価格でおいしいものを、気軽に楽しむことができるとうのが「ニーズ」です。楽しい雰囲気も大切かもしれません。

お客さんがどのような要素をその「店」に対して求めているのかを見抜いているお店が、繁盛するお店であり、そのような「バランス感覚」が飲食店の明暗を分ける最大の要素となるのです。重ねますが、「おいしい」というのは飲食店にとって「当たり前」のことであるのです。

 

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