フランチャイズの飲食店も侮れない

飲食店の中には、「同じ味をさまざまな場所で、さまざまな人に楽しんでもらいたい」という考えをもって店舗経営をしているお店もあります。そのような計画を実現するためには、「店舗を増やす」という手段がもっともオーソドックスです。「外食」というスタイルは私たちの生活の中で至極一般化したものであり、家庭以外の味が食べたいと考えた場合は、さまざまな店舗へ繰り出して食事をとることが「普通」なのです。

私たちが日々暮らしているなかで、「違う場所」で「同じ看板」をもった店舗を見かけることがあります。それらのお店には様々なタイプがあります。その飲食店を経営する会社が直営で運営している「直営店」、まずこれがスタンダードなカタチです。そのような飲食店では違う場所で同じ味が楽しめることでしょう。よく通っているお店の味と同じものが、同じ料理が、同じ料金で楽しめるのです。その店の「味」に馴れていれば実に「安心感」がわくものです。そのような「安心」を感じた際、いかに私たちが「食」に依存し、また「食」を楽しんで生きているのかがわかるというものでしょう。

そのような「同じ店」でも「直営」とは少し違ったカタチで経営されている店舗があります。それが「フランチャイズ」のお店です。「フランチャイズ」は、提供する料理のメニューやレシピ、そしてお店の看板やブランドを「個人」に分け与えるものです。パッと見では直営店と変わらないのですが、そのお店、その会社の「社員」ではなく、いつも同じマスターが一人で切り盛りしているようなお店です。フランチャイズは、店主側からすると個人で飲食店を開業するための「足がかり」としては無難なものです。なぜならその「ブランド」にすでに固定客がついていて、開店した瞬間からお客さんがくることが見込めるからです。飲食店の経営のなかで「客足」というのは収益の基盤です。その客足を、お店のブランドと看板を借りることで実現することができるのです。

そのようにして訪れる客はといえば、「何が食べられるのか」を知った上で来ています。自分が知っているお店の味がそこにあるとわかったうえで来るのです。ですから、フランチャイズで「自分の店」を持っているとしてもそれらのお客さんの「期待」を裏切るものは出せません。「暖簾分け」とはいえ、本家に負けず劣らずの料理でおもてなししなければ、客足が途絶えてしまうからです。

このようなフランチャイズの店舗は、個人の事業主が行なっている場合が多いです。それらの「店主」は、チェーン店の「アルイバイト」よりも年季が入っていますし、経営に対する危機感も違います。「料理で客をとる」ということに対するプライドが違うのです。ですから、「フランチャイズ」といえども、その「味」は侮れません。もしかすると、「直営」の店舗よりも美味しいかもしれません。直営の店舗では「アルバイト」の学生がマニュアル通りの料理を作っているだけかもしれませんが、フランチャイズの店舗では店主が自分のお店のために包丁をふるっているのです。「覚悟」の差は「味の差」として現れるものです。ですから、フランチャイズといっても侮ってはいけないのです。

 

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